登山の四方山話のブログ - 凍傷はヒューマンエラーである。故に防げる



 

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凍傷はヒューマンエラーである。故に防げる

2014年12月27日 01時21分

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【好日山荘のFacebook】

★「凍傷はヒューマンエラーである。故に防げる」 心に留めておきたい言葉です。

http://www.yamanobori.jp/listArticle?url=60847

「凍傷はヒューマンエラーである。故に防げる」これは登山の大先輩である金田正樹ドクターの言葉です。

金田正樹ドクターとは、凍傷治療に詳しいドクターとして知られている方で、以前は、武蔵小杉(川崎市)の「聖マリアンナ東横病院」に務めておられたため、私達も、何度か治療していただいたことのあるドクターです。

★感謝されない医者 - ある凍傷Dr.のモノローグ – 金田 正樹 (著)

最近は、装備が充実しているためか、酷い凍傷になる事故が減ったような気がします。昔は、凍傷で入院する事故がしばしばありました。

ちなみに、昔、私の両足も凍傷事故を経験しています。今も後遺症があり、そのため、寒気は、本当は、あまり好きではありません。事故時は、足先がすべて真っ黒になりましたが、なんとか切断をまぬがれ、すべての指を残せました。

金田正樹ドクターは、「凍傷は防げる」と言っています。以下等の記述を参考に、改めて、装備の選択および現場での行動に留意していきたいと思います。

★凍傷(低体温症)を防ごう

1:肌を乾いた状態に保つこと。その為には登山用の肌着を使うことです。私はメリノウールなどの天然素材を好んで使いますが、最近では撥水性をもつメッシュベースレイヤーの上に吸湿速乾性に優れたニットを重ねるものも出てきました。
2:手袋・靴下は汗や雪で湿らさない努力をし、予備を必ず持つこと。
3:脈を測ることのできる部位、つまり頸部や手首を外気に曝さない。
4:頭部を目出し帽やニット帽、アウターシェルのフードなどで覆うこと。

1:体から熱をできるだけ逃がさない工夫をする。つまり、体や身につけているものを濡らさない。伝導性の高い金属を素手で触らない。強風に身を曝さないことです。
2:体の隅々まで良好な血液循環を確保する。つまり、水分を摂る。靴紐やアイゼンバンドで締め付け過ぎない。手首や頸部など「首」と言われるところを強く締め付けない。
3:体温を生み出す元となる筋肉活動ができる十分な栄養を摂る。口から摂取した糖質はすぐに使えるわけではないので、1時間に一回くらい、小まめに食べること。
4:断熱性に優れたダウンなどの防寒ウェアを早めに身につける。
5:冷えた体を直接温める。つまり、保温ボトル温かい飲み物を飲む。頸部、腋の下、鼠蹊部、手首などを湯たんぽ(お湯を入れた水筒など)をあて、血液自体を温める。

★凍傷 金田正樹著「感謝されない医者」より

[凍傷は予防できるか(p.228)]
登攀、冬山の行動をスピードアップせよ。
凍傷は寒冷に曝した時間の長さがその重症度に比例するので、行動時間を短くすることは予防の大きな要素である。
手の中指、薬指、小指は、ピッケルを握るときに直接金属から低温が伝わりやすいのと、指が長く屈曲位になることが循環に影響を及ぼし凍傷の受傷率が高い。
指が冷たくなり感覚を戻すために岩などに打ち付けるのは、感覚がないから加減できず危険である。
脱水に気をつけろ。
特に行動中、魔法瓶から飲む温かい飲み物は、凍傷予防の薬と思っていただきたい。
ビール、酒、コーヒーは利尿作用があり、体内の水分を出すことになるのでほどほどにしたい。
湿度と風には充分配慮せよ。
首にある星状神経節が頭、頸部、肩、腕、手の血管の流れを調節している。この神経節を寒い風に曝さないように、暖かいマフラーで首を守ってやるのも凍傷予防の一つになる。
凍傷は部分的な注意だけでは予防はできない。体全体の保温が第一であると心がけたい。
装備の工夫
手袋、靴下は濡れた状態になると指の低温を招くので取り替えるなど注意が必要である。
ビバーク中の凍傷が多い。
緊張をほぐす温かい飲みものが凍傷を防ぐ最大の要素となることを再度強調したい。
予防薬はあるのか。
ビタミンE剤は、抗血栓作用もあるとされるが、使い方を間違うと、出血傾向にもなるので避けたほうがいい。
喫煙は、ニコチンの血管収縮の作用があり、凍傷には禁忌である。
寒さを肌で感じよう。
冬季の山行を多く経験して、寒さに慣れ、気象の変化から身を守る方法を肌で学び、この危機の察知能力を現場で学ぶのが大事である。

凍傷治療の基本は、患部の「感染の防止」と「血流量の増大」です。以前は、以下の様な治療が行われていました。

凍傷は、火傷と同じく、患部の皮膚がすべて失われます。手指が1本凍傷になったときのことを、自分の手指を見ながら想像してみてください。そこに細菌が付着すれば、感染、化膿、腐敗の道を歩み、感染していなければ保存できた部分も、切断することになります。その感染防止を自宅で完全に行うことは難しいため、凍傷で病院に行くと、感染防止の対策として「即、入院」が言い渡されることが多かったです。

凍傷の回復には、血流量の増大が効果があることが知られており、患部に血管拡張剤が投与されました。広範囲の凍傷の場合、前記の引用文中に「首にある星状神経節が頭、頸部、肩、腕、手の血管の流れを調節している」という文言がありますが、星状神経節をブロックする(=局所麻酔で働きを弱める)ことで、血流量を増大させる治療も話に聞きました。

なお、しばらく、周辺に酷い凍傷になる者がいないため、最新の治療法は承知していません。

登山の四方山話 管理人


2014年12月27日 01時21分
カテゴリー : 情報種類分類:安全 ,遭難対策
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