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凍傷と金田医師の話
2014年12月31日 00時15分
以前、自分の以下の記事で、
★凍傷はヒューマンエラーである。故に防げる http://www.yamanobori.jp/listArticle?url=62773 金田医師が書いた本として、以下のように、紹介だけしていました。 ★感謝されない医者―ある凍傷Dr.のモノローグ 単行本 – 2007/2/1 金田 正樹 (著) 上記の本が出版された時、ヘンなタイトルだなと思いましたが、読まないまま、今日に至っていました。 機会を得たので、今回、あらためて、読んでみました。ヘンなタイトルの所以が分かり、そして、納得しました。 タイトルの所以に関した要点を、以下に、私なりにメモしてみます。 登山をする整形外科医ということで、あるとき、凍傷患者を診た。
Webに「凍傷の専門家」のようなことが掲載され、その後、日本中から凍傷の診療依頼が届くようになった。
約30年で、凍傷患者を800例以上診た。
しかし、通常の整形外科の診療は数万に及ぶわけで、凍傷の専門家のような扱いは意に沿っていない。
当初、凍傷という症例に興味をもち、論文を一度書いたことがある。
しかし、それ以降、忌避する気持ちがあり、凍傷に関した研究などは行っていない。
忌避する理由は、以下である。
・診療を求めてやってきた凍傷事例は、手指または足指の切断に至ることが4割程度あった。(800×0.4=320本位の指を切ったということ)
・多くの患者にとって悲しむべき事態であり、退院時も沈痛な状態であることが多い。
凍傷は、可能なら診たくなかったが、患者から診療の希望があれば、それに最善を尽くすのが医師の仕事である。
退院時、通常は感謝される医者の仕事だが、指を切断した患者からは、感謝の言葉は出ない。 ⇒ 本のタイトルの「感謝されない医者」
わたしたちも、金田医師に何度かお世話になりました。 ここに、あらためて、金田医師に感謝の言葉を贈らせていただきたいと思います。 また、今後、私と一緒に山に行った誰も凍傷にならないことを、最大、努力していきたいと思います。 *** 上記以外にもたくさんのエピソードが載っており、興味が尽きない一冊でした。 そのようなエピソードの一つに「同時に6人の凍傷患者が入院」した話があり(内容は悲壮感のない楽しい話)、私達も同様な体験をしたことがあるので、当時を思い出しながら、楽しく(?)読ませていただきました。 私達は、ある年の冬の八ヶ岳で、小同心クラックを登攀中、1名が数本の手指を完全に凍結させたため、その者を下山させ、金田医師の元に走らせました。当然、即入院となったわけですが、数日後に見舞いに行ったとき、驚くことがありました。なんと、4人用病室の残る3床が、同日に隣の大同心を登攀していた3人だったのです。 当日、八ヶ岳は、それなりに吹雪でしたが、いつものことなので、登攀活動に入りました。ただ、いつもより冷え込んでいたと思います。我々以外のパーティも多くが登攀活動を開始し、その3人を含むパーティが大同心に取り付いたことも、承知していました。 小同心と大同心、隣り合ったルートを同日に登攀した2つのパーティの4人が同じ凍傷で同じ病室に入院したことに、驚きました。4人の入院生活は、金田先生の本の「同時に6人の凍傷患者が入院」した話のように、それなりに楽しかったようでした。入院した1名は、約1ヶ月後、指を切断せずに、退院できました。 凍傷という残念な話ですが、自分がヤマでとても元気だった頃の1ページを構成する懐かしい思い出の一つです。 登山の四方山話 管理人
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Your's is the inleitlgent approach to this issue.
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2015/08/01 23:36:28
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